美容情報を中心に、ファッション、アート、カルチャーなど
時代の流行をいち早く取り上げてきた資生堂の企業文化誌
「花椿」。無料とは思えないクオリティーの高さに度肝を
抜かれることも!
「花椿」の前身は、大正13年(1924年)に創刊された
新聞形式の「資生堂月報」、次いで、昭和8年(1933年)に
創刊された小冊子「資生堂グラフ」の二誌。
本品は、写真を多数使用した「資生堂グラフ」の昭和9年第10号。
春のお出掛けがテーマで、横濱のスポットを紹介しています。訪れた庭園は、証券取引で財を成した大澤幸次郎氏の5万坪という
広大な邸宅敷地に造った植物園や動物園を一般市民にも開放していた
「横濱ガーデン」。昭和20年の横浜大空襲でほとんどが焼失して
しまったそうで、今は「ガーデン山」という地名のみが残っています。乗船した大洋丸は、客船としてサンフランシスコ航路を就航して
いましたが、太平洋戦争中は日本陸軍の輸送船となり、1942年に
アメリカ潜水艦の雷撃を受け沈没しました。
資生堂グラフはファッション史だけではない資料的価値に溢れている
と、つくづく感じさせられます。