幻想的な女性を描き、独特な画風で知られる洋画家の東郷青児。
アール・デコ期のフランスへ美術を学ぶために留学し、パリの
百貨店ギャラリー・ラファイエットで室内装飾などのデザイナー
として務めたことも。帰国後は、フランスで培った経験をもとに、
絵画だけでなく広告デザインや装丁などの仕事も多く手掛けました。
本書は、北原白秋の門下生のひとりで歌人の由利貞三の詩集に、
東郷青児が表紙画を手掛けた一冊。
戦後の代表的な女性像のタッチとは異なる、フランスで影響を
受けた未来派やキュビズムが反映された作風に仕上がった一冊です。