戦前の日本を代表する新興写真家の一人、小石清。1933年に出版された小石唯一の写真集「初夏神経」は、ジンク板(亜鉛板)の表紙+スパイラル綴じ+自作の詩を収録した唯一無二の写真集として知られています。本書は、1936年に玄光社から出版されたアマチュア写真家のための解説書。フォト・モンタージュやソラリゼーションといった小石の代表作である連作<泥酔夢>より「疲労感」など、多数の作例をもとに
詳しい手法が明かされています。
装幀を手掛けたのは、大正初期から戦後まで、抽象版画、本の装幀、
自作の詩画集を発表するなど多岐にわたり活躍した恩地孝四郎です。
ノンブルやラインなどバウハウスの影響が色濃く出た一冊。